WOGの'99-'00シーズンNCAAプレビュー&オススメチーム!!

 さてさて、アーリーエントリーする人達やトランスファーする人達も一通り出揃ったところでWOGが大胆にも来シーズンの予想を立ててしまおうという暴挙に出てみました。予め言っておきますがこれはWOGの純然たる主観をもとに書かれていますので、WOGにとっては馴染みの薄いチームや未だ見たことのないチームは扱いが低いです。
 まぁ、こういうのはAthlonだのStreet&Smithだのどんなプロがやっても外れてしまうのが常識ですので「本命」「対抗」「オススメ」「大穴」の競馬方式をとらせて頂きます。(括弧内は所属カンファレンス)

2000-2001シーズン予想に進む


<<本命>>
Michigan State Spartans(BIG TEN)

 WOGの'99-'00シーズンの本命はやっぱりここ、ミシガンステイト。クリーブスの残留で一気に本命度に拍車がかかりました。有力選手のアーリーエントリーなどによってアップダウンの激しいカレッジバスケット界において'97-'98シーズンから数えると延べ3シーズンも主要戦力が変わっていないのは奇蹟としか言い様がありません。
 '99-'00シーズンはセンターを務めていたアントニオ・スミスが卒業してしまう他はスターターは殆ど残留。インサイドのハードワーカーだったスミスが抜けるのは少し痛いですが、ハトソンやピーターソンがこのまま順調に成長してくればその穴を埋めて余りあるものになるだろうし、リクルーティングでもオールアメリカンの高校生が入学、更に昨年デュークからトランスファーしたマイク・シャペルが戦線加入といいことづくし。'99-'00シーズンもミシガンステイトお得意の機動力に溢れたスピーディーなバスケを展開してくれることでしょう。
 ただ、問題点はといえば、これといったセンタープレイヤーが不在なため、センターが中にどっしり構えた重たいバスケを相手に展開されるとリズム感を失いがちになってしまうところと、如何ともしがたい得点力不足。この辺はピーターソンやAJグレインジャーに頑張ってほしいところですね。
<<対抗 その1>>
Ohio State Buckeyes (BIG TEN)

 '98-'99シーズンのBIG10カンファレンスはNCAAに何と7校(ミシガンステイト,オハイオステイト,アイオワ,パデュー,インディアナ,ウィスコンシン,ミネソタ)も選ばれた最強のリーグでしたが、'99-'00シーズンもこのカンファレンスは元気一杯。オハイオステイトは正にそのBIG10の元気の源とも言えるパワーに溢れた上り調子のチーム。'99年のNCAAトーナメントでは南地区の第4シードというお世辞にも高いとはいえない位置からオーバーンとセントジョーンズを破って見事にファイナルフォーに駒を進めました。異なる3つのカンファレンスで最優秀コーチに選ばれたジム・オブライエンの、個々のプレイヤーの能力を考えた無理のないチーム作りによってこのチームはたった1年でBIG10最下位チームからここまでのしあがってきたのです。
 ここの核となるのはやはりスクーニー・ペン(写真右端)とマイケル・レッド(写真右から3番目)。彼らのアウトサイドシュートとインサイドへの切れ込みは大抵のチームが手こずることになるでしょう。それから、忘れてはならないのがインサイドでのケン・ジョンソンの地味ながら安定した働き。彼のブロックショットはシラキュース大のエタン・トーマスと同じぐらい見る価値があります。ボバン・サボビッチもいい仕事をしてくれます。
 痛いのはサンダーソンのトランスファーですが、代わりに有力なプレイヤーがトランスファーしてくるとのこと。ここの弱点と言えばフォワードの駒が足りないところ。ペンとレッドにあまり負担をかけすぎるとケガが心配される(実際スクーニーはシーズン終盤ケガに悩まされていた)ので、その辺は他の選手の成長が不可欠でしょう。

<<対抗 その2>>
Connecticut Huskies(BIG EAST)

 '99年NCAAトーナメントでは完璧なゲームをしてデュークを見事に破ってくれたコネチカット。'99-'00シーズンは点取り屋のリチャード・ハミルトンとディフェンスの鬼のリッキー・モーアが抜けてあまり有力視はされないかもしれませんが、実は'99-'00シーズンのチームの方がバカ揃いでWOG的にはかなり好きかも、ということで「対抗」に選ばせて頂きました。リップくんが抜けることで得点力の低下は如何ともしがたいでしょうが、その代わりチームディフェンスはかなり成長が見込まれます。
 '99-'00ハスキーズのキープレイヤーはポイントガードのカリッド・エルアミン(写真右)とフォワードのケビン・フリーマン、それからセンターのジェイク・ヴォスクル(写真左)。彼らが新生UConnを独特のノリノリパワーで引っ張っていってくれることでしょう。特にフリーマンは'99NCAAトーナメントではここぞというときに活躍してチームに勝利をもたらしたプレイヤー。リップくんの代わりにUConnのスターになって、エルアミンとのナイスバカコンビぶりを発揮してくれればWOGは最高に嬉しいです。


<<対抗 その3>>
Cincinnati Bearcats(Conference USA)
 
 はっきり言ってこのチーム、メンツ的には本命に入れたいチームです。反則です、反則。なのにどうして「対抗」なのかと言えば、「プレイヤーにムラッ気があってここぞというときに弱いから」というだけの理由。ケニオン・マーティン、ピート・マイクル、ジャメイン・テイトという肉体派ガンガントリオの残留に加えてあの素晴らしすぎるリクルーティング。メンバーの個々の能力だけだったらミシガンステイトよりも上でしょう。おそらく'99-'00シーズンもカンファレンスゲームでは圧倒的な強さを見せることが予想されます。
 しかしながら問題は数年前から連綿と受け継がれている、ここぞと言うときのアップセット負け。'99NCAAトーナメントでもテンプル相手に見事にゲームをコントロールされてしまっていました。コーチが悪いんだか、選手が悪いんだか、両方なんでしょうが、チームのケミストリーをもっと上げて試合巧者にならないとNCAA優勝はほど遠いです。運も味方して非常によいリクルーティングが出来た'99-'00シーズンは優勝には最高の布陣が整いました。このチャンスを無駄にせず、久しぶりのビッグダンスをシンシナティにもたらして欲しいものです。

<<オススメ>>
ここからはオススメチーム。現時点での優勝確率はそんなに高くはないものの、今後の活躍次第によっては一気にブレイクする可能性を秘めたチームを簡単に取り上げてみました。

Duke Blue Devils(ACC)

 「4年までいる」のが今までの「伝統」だったデューク。初めてアーリーエントリーを出したと思ったら何と3人も出ていってしまい、おまけに長年デュークの精神的支えとなってきたラングドンが卒業し、バージスがトランスファー。デュークファンにとってはお先真っ暗と思えてもおかしくないでしょう。だがっ、しかーしっ、デュークファンよ、今度の新入生軍団を見るのです!!3シーズン前のFAB4リクルーティングに勝るとも劣らぬこの素晴らしいラインナップ。WOG個人的には完成度で言ったらこの子達の方が上かも知れません。特にWOGもお気に入りなジェイソン・ウィリアムスは冷静な判断力を持っているポイントガードなのでスターターとして十分通用するでしょう。UNCのエド・コタとのマッチアップが今から楽しみです。カルロス・ブーザーもいいフォワードです。
 一方、ベテランの方はといえば、クリス・キャラウェル(写真左)、シェーン・バティエ、ネイト・ジェイムズという渋めの選手が残りました。彼らはハデさはそんなにありませんが、デュークのシステムをちゃんと理解してきっちりディフェンスをしてくれるプレイヤー。'99-'00シーズンはおそらくは彼ら上級生が締めるところをきっちり締めて下級生には比較的自由に打たせていくスタイルを取るのではないでしょうか。
 ただ、1年生に半分以上のポジションをスターターとして受け持たせることになりますからどうしても不安定にならざるを得ないというのが問題点。何にせよ、1年生は未知数の部分、シーズン中に急成長する可能性も秘めていますから確定的な予言が出来ないというのが現在の状況。まぁ、今度の新入生もある程度は完成されているプレイヤーが多いのでとりあえずは「オススメ」にしておきましょう。

Syracuse Orengemen(Big East)

 '98-'99シーズン当初は評価が高かったのにシーズンを経る毎に評価が下がって行ってしまい、結局NCAAトーナメントでは1回戦負けしてしまったシラキュース。ブラックウェルやトーマスやハートが4年生になる今年こそは正念場、もうこれ以上モタついていてはいかんでしょ、ということで激励の意味も込めて「オススメ」にしました。
 ここの見物はやはりセンターを務めるエタン・トーマスの必殺ブロックショット。身長はそんなにない(6-9)のに、非常に迫力あるブロックをかましてくれるため、彼のブロックが出る度にシラキュースファンは大騒ぎしてます。トーマスはガッツあるプレイで自分より背の高い選手と張り合ってリバウンドやディフェンスもこなしてくれます。ライアン・ブラックウェルも素晴らしい選手です。ガードではアシスト数が多い、オーソドックスなポイントガードのジェイソン・ハートがキープレイヤー。非常にテンポのよいプレイをしてくれます。
 ただ、ここは身長があまりないプレイヤーばかりなのでサイズでごり押しされると辛いです。また同じぐらいのサイズのチームと当たっても相手のシューターをフリーにしてしまってバカスカスリーを決められてしまったり、、一度崩れると崩れっぱなしだったりということがありました。もうベテラン揃いのチームなのですから、この辺はきちんと修正して欲しいところですね。

Temple Owls(Atlantic 10)

 ヘッドコーチのジョン・チェイニーさんの指導するシステムがあまりに複雑怪奇(言い過ぎか)なためにベテランにならないと板に付かない、とまで言われているテンプル。ラッキーなことに'99-'00シーズンはそのチェイニーさんの指導の成果が実るべく、4年生中心の非常に質のいいラインナップが揃いました。イケイケのブロークンボローは抜けてしまうものの、ゲームをコントロールするガードにはサンチェス、ワドリーというベテラン4年生が名を連ね、イキのいいグリアーもいます。彼らのリードでインサイドの点取り屋バーンズが活躍し、下級生もしっかりしたスタイルを覚えていけばテンプルはかなり不気味な存在になるでしょう。NCAA優勝、となると絶対的なパンチ力不足は否めませんが、ここのバスケは非常に玄人好みのスタイルなのでそれが完成に近い形になる'99-'00シーズンのチームはバスケをプレイする玄人ファンの方にとっては一見の価値あり、ということで「オススメ」に入れました。

Illinois Fighting Illini(BIG TEN)

 各チームが非常にレベルが高く、激戦が予想されていた'99年BIG10トーナメントで冗談のように勝ち進んで決勝まで行ってしまったイリノイ。ここはスターターで抜けるプレイヤーが殆どおらず、ロン・クルーガーさんの指導がそろそろ実を結ぶ頃。アウトサイドのポイントガード、コーリー・ブラッドフォードのスリーポイントシュートは勿論のこと、インサイドにチュクデベとホーキンス、ウィングにマクレイン(写真左から2人目)という肉体派プレイヤーを揃えたラインナップは非常に強烈。だからといってスタンドプレーに走るわけでもなく基本に忠実なバスケを展開してくるあたりはなかなかしたたかなチームと言えましょう。
 ただ、まだまだ若いチームなので浮き沈みは激しいことが懸念されます。精神的技術的な安定力をつけることが当面の課題でしょう。

Auburn Tigers(SEC)

 '98-'99シーズン、かなりの上位にランクされながら何故だか一回も日本で放送がなかったオーバーン。オーバーンのゲームを見たことのある数少ない日本人の一人としては、やはり取り上げておかねば、ということで「オススメ」に。
 '98-'99シーズンは何だかやたらとイケイケで連勝してあれよあれよと言う間にランキングを登るところまで登り詰めてしまったのですが、この豹変ぶりの立役者はジュニアカレッジからトランスファーしてきたクリス・ポーターのリーダーシップと外角シューターのスコット・ポールマンの急成長にありました。特にポールマンはポーターが不調の時に鬼のように点を取りまくってチームを勝利に導く活躍を残し、オーバーンにはなくてはならない存在になりました。'99-'00シーズンはこの2人の更なる成長が期待できるとともに、インサイドのセブンフッター、ママドゥ・インジャイに成長して貰いたいものです。彼がゴール下のディフェンスやフックシュートを確率よく決められるようになればタイガースはこのシーズンも台風の目となってNCAA Men's Hoopsを引っかき回す存在になるでしょう。
 しかしながらこのチームには問題が山積しています。今までがそんなに成績の良いチームではなかったために「勝ち慣れてない症候群」の症状が見られます。ここぞという時の大事な試合を落としてしまったり、シーズン終盤には息切れしてしまったり、大差が付いた途端に非常に怠慢なプレイになって点差を詰め寄られたり、この辺は精神的なものが深くかかわっているのでコーチングスタッフの努力が求められるでしょう。


その他のWOGのオススメチーム

DePaul Blue Demons(Conference USA)
Georgia Tech Yellow Jackets(ACC)
St. John's Red Storm(Big East)
Florida Gators(SEC)
Arizona Wildcats(Pac 10)
Purdue Boilermakers(Big Ten)
Miami Hurricanes(Big East)
Kansas Jayhawks(Big12)
Texas Longhorns(Big12)
Wake Forest Demon Deacons(ACC)

<<大穴>>
North Carolina Tar Heels(ACC)

 UNC中心のページを作っていながらカロライナを大穴に持ってくるとは何事だ、と叱られてしまいそうですなぁ(^^;)でもね、でもね、他のチームの出来具合だとか、リクルーティングなんか見てるとどーしてもカロライナが駒不足に思えてきて仕方がないんですわ、これが。何といってもWOGの理想は'96-'98のメンバーですから、それとどうしても比べてしまうんでついつい辛口になってしまうんでしょうね。
 しかし、このチーム、化けたら怖いです。異様なまでのサイズ(6-10以上が4人)と1年間の子守り(笑)で辛抱を覚えた(と思いたい)エド・コタのゲームメイキングに加えて、ウィングのシューターであるオーウェンスやフォーティが成長した日には相手にとっては最高にヤなチームでしょう。まぁ、そのためにはインサイドのヘイウッドがもうちょっとポジション取りやゲームの先を読んだ動きが上手くなって、クリス・ラングのフックシュートが今まで以上に高い確率で成功し、ジェイソン・ケイプルがケガをこれ以上してやすんだりしなければ、という条件が付きますが。WOGの希望としてはACC1位か2位でシーズン終わってエドコタくんがまた鬼のように活躍してファイナルフォーにでも出てくれたらもう本当に嬉し泣きです。そうなったらまたインディアナポリスに見に行きます、絶対。

さて、あなたの予想は、そして実際のシーズンはどうなるでしょうか!?